2019-22 麒麟の翼 東野圭吾

 麒麟とは五街道の起点である「日本橋」にある麒麟像のこと。日本橋が木造から石造りに建て替えられた際設置されたそうです。元々麒麟には翼はないのだそうですが、街道の起点から日本中にはばたくということで翼を付けたのだそうです。さて、物語の方は、この麒麟像のそばで胸をナイフで刺されるという殺人事件が発生する。そして、その直後、被害者のカバンと財布を持った男が交通事故で重体となり、やがてなくなってしまう。この男が犯人なのか、加賀恭一郎が真実を解き明かしていく。物語の中で、私も参拝した日本橋七福神、親会社がある甘酒横丁、浜町緑道と弁慶像など、身近な場所が題材となっておりとても親しみやすく感じました。また、派遣切りや労働災害なども、職業柄他人事とは思えませんでした。ストーリーは、やはり思いもよらない結末になっていきますが、考えさせられる内容でもあります。後半、麒麟像が重要なカギを握っていることが明らかになり、題目の理由にも納得がいきました。映画にもなっていたということで、鑑賞してみたくもなりました。

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