2019-25 卑弥呼の葬祭 髙田崇文

 古代史に興味を持つと、古事記・日本書紀の神話の世界と史実との関係について不思議に思えてくることがたくさんあります。邪馬台国はどこにあったのか、天照大神は卑弥呼のことではないのか。なぜ天子ではなく天孫降臨で、しかも九州の高千穂なのか。神武天皇はなぜ日向からで、その本当の目的は何だったのか。出雲の国譲り伝説の実態は侵略らしいことは想像がつくが、なぜ全国に出雲系の神々の神社が存在するのか。神功皇后伝説とは何なのか。全国八幡神社の総本山である宇佐神宮の正体は何なのか、など。
この本は、高千穂神楽、宇佐神宮で起きた現代の殺人事件を通して、そうした疑問、特に卑弥呼と岩戸伝説を中心にして答えてくれているという本です。これまでに関裕二さんの著書を中心に古代史の本をけっこう読みましたが、古代史にの謎について一番わかりやすく書かれているように思います。あくまで小説ですので、史実としてどうなのかというものではありませんが、私には腑に落ちることがたくさんありました。特に、天岩戸伝説、宇佐神宮の正体については。次は出雲伝説について書いてもらえたらと思います。

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