2019-28 マスカレード・イブ 東野圭吾

 東野圭吾さん、「マスカレード・ホテル」に続くホテルマン、いやホテルウーマンと刑事のミステリーです。ホテルに宿泊する人たちは仮面を被っている。ホテルマンはそうした仮面を被ったお客様に寄り添い職務を遂行している。そうした中、ホテルにはあまり関係ない大学教授が殺される。容疑者として大学の教授が浮かび上がるが、そのアリバイにホテルが絡んでくる。完璧なアリバイであったはずなのに、チョットしたズレが生じ、そこからひもが解かれていく。そこにはふたつの殺人事件が関連していて、刑事のひらめきとホテルマンの、いやホテルウーマンの鋭い洞察力が事件を解決に導いていく。事件の真実はどういうものなのか、犯人は誰なのか、ワクワクドキドキしながら読み進めていくが、結末は意外なところにありました。ホテルの宿泊者は仮面を被ってホテルに泊まるが、ホテルの従業員もある意味覆面を被っている。刑事も仮面、あるいは覆面を被っている。こう考えると、人間みな仮面を被って生きているのでないかと思えてきます。

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