2019_23 フーテンのマハ 原田マハ

 原田マハさんてどんな人なんだろう?そんな思いでこの本を手に取りました。そんな思いにしっかり答えてくれる本でした。マハさん、旅行好きで、その相棒がいます。大学時代の同窓生、御八屋千鈴さん。前半は作家になる前からの旅日記が中心で、千鈴さんとの旅が多く語られ、後半は作品制作のための調査旅行の色合いが濃くなっています。巻末の注釈にも、「フーテンのマハ」、「小説スバル」2009年10月号~2010年12月号、「帰ってきたフーテンのマハ」2015年6月号から2016年12月号、とあります。旅の内容は面白おかしくもあり、間に語られるマハさんの生い立ちや思い、心情、そしてこれまでに執筆した作品の背景や、題材にしたゴッホ、ピカソ、モネなどの画家たちへの思いなど、とても興味深く良くことができました。私は、マハさんの代表作群である画家たちの物語は読んでいませんでしたが、是非読んでみたいと思いました。既に読んだ方でも、どうしてこうした作品が出来上がったのかなども少し理解することができると思います。そして、原田マハという人間がどうやって形成されたのかも何となく分かりました。元々持って生まれた才能に、家庭環境、特に父親の影響を大きく受け、作家原田マハが形成されたのだなと思いました。原田マハファン必読の一冊です。

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