2019_24 容疑者Xの献身 東野圭吾

 天才物理学者ガリレオ先生こと湯川教授。そのガリレオ先生の大学時代の旧友であり、湯川教授も認める数学の天才石神、現在は数学の教師をしている。そんな石神のアパートの隣室で殺人が起きる。離婚した亭主がお金をせびりに元妻のところへ現れ、はずみで娘とともに殺してしまう。隣人の女性に好意を持っていた石神は、この母子の殺人隠ぺいに、数学者としての頭脳を駆使し論理的にアリバイを築き上げ、警察からの追及をかわす。この事件の捜査に当たった刑事もまた湯川の大学時の同級生草薙刑事。湯川は、草薙から事件の概要を聞き、石神と再会し、事件の真相を解き明かしていくことになる。石神の仕掛けたトリックは、何となくこんなもんかなと考えていましたが、全く想像以上のものでした。天才数学者の仕掛けたトリックは論理的に組み立てられ、暴きようのないものした。しかしそれを崩したのは論理を超えた人間の良心でした。そこには天才数学者の何とも言えない切なさがありました。

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