2019_43 カフーを待ちわびて 原田マハ

 原田マハさんのデビュー作という帯をみて即購入、期待にたがわぬ内容でした。沖縄を舞台にした恋愛小説ではありますが、恋愛ミステリーとも言えると思います。
リゾート開発の話が進む沖縄の離島、与那喜島、そこで小さな雑貨屋を営み黒いカフーという名前の犬とともに暮らしている友寄明青(ともよせあきお)。『カフー』とは、沖縄言葉で『幸せ』という意味なのだそうです。リゾート開発の推進役は明青の同級生。リゾート開発の事例を見に行くということで、島民一行で北陸の孤島を訪問、そこにある神社を参拝した際、明青は絵馬に、『嫁に来ないか』と書いた。何も期待せずに書いたものではあったが、しばらくして「幸」と名乗る女性から手紙が届く。手紙には『お嫁にしてください、近々訪問します。』と書かれていた。期待とまさかと思う中、ほんとに幸と名乗る女性が現れる。そして、明青に住み着いてしまう。幸という女性は何者なのか、リゾート開発の行方は。沖縄を舞台に繰り広げられる切ない、そして心温まる感動恋愛小説でした。なお、この小説は、2005年に公募された、第1回日本ラブストーリー大賞で、応募作品693の中から大賞に選ばれた作品だそうです。

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