2019_46 舞 台 西加奈子
自分にコンプレックスを持ち、作家である父親に反感を持っていた29歳の葉太、父親の死を機会にミューヨーク旅行へ。ところが初日にリュックごとパスポート、財布、カードなどを盗まれてしまい、所持金は12ドル。変なこだわりを持っている葉太は、すぐには領事館へは行かず極貧生活をおくる。そして精神的にも肉体的にも極限状態に落ちってしまう。そうした状況での葉太の心の葛藤がつづられている。私には、葉太の考え方、気持ちが分かるような分からないような、少なくとも共鳴はできなかったが、きっと共鳴できる人もいるのだろう。