2020_20 ブルータスの心臓 東野圭吾

 完全自動化された工場で、ロボットの誤動作によって管理人が死亡するところから物語は始まります。そのロボットの名前はナオミ。
ロボット開発エンジニアである末永卓也は、苦労の末大学を卒業し一流会社MM重工に就職する。そして、創業家一族に取り入るべく画策を行っていくが、創業家にも複雑な後継ぎ問題があり、思いがけず殺人事件に加担することになってしまう。それは、アリバイ工作のために死体をリレー運搬するというものでした。ところが、運ばれてきたのは、殺人事件を計画した本人。誰が殺したのか、真犯人は誰なのか、そして第2の殺人事件が起こり、末永も命を狙われ、逆に殺人を犯してしまう。警察の捜査が徐々に真相に近づいていくなかで、登場人物の心理戦が面白い。題名になっているブルータスとは末永が開発したロボットの愛称であることが最後になって明らかになるとともに、意外なところに犯人が潜んでいた。
ブルータスの心臓、とは何を意味するのか、それはやはり人間のことのように思います。東野さんの思いが感じられる気がしました。

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