2020_37 夜明けの街で(東野圭吾)

 この本は、浮気または不倫がテーマで、そこに殺人事件を絡めてミステリーに仕上げている、といったところでしょうか。
30過ぎのサラリーマン渡部が、ふとしたことで浮気にはまり、家庭も顧みないような不倫へと染まっていく、その過程はとても自然に感じられました。しかし、その相手の女性、秋葉には、15年前に離婚した母親の自殺、父親の愛人であった秘書が自宅で強盗に殺されるという過去がありました。秘書を殺したのは秋葉ではないかとの疑いがあるなか、もうすぐ時効をむかえようとしている。そうした中での渡部と秋葉の密会、なぜかドキドキしてしまいました。そして、時効をむかえたその日、すべてが明らかになります。そういうことだっったのか、という感じです。渡部の友人が、渡部に密会の手助けをするのですが、一方で不倫はよくない、絶対にするなという強力な説得を試みるのですが、渡部は聞き入れませんでした。なぜ、友人がそんなに力説するのかが、最後のおまけで明らかになります。

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