2020_38 美しき凶器(東野圭吾)

 1992年初出版ですので、東野さんの比較的初期の作品です。
最も運動機能の優れた人間といえば、男性なら10種競技、女性なら7種競技の選手ではないでしょうか。そんな運動機能を持った人間が殺人鬼となったら・・・。そんなことを考えて書かれた作品ではないかと想像してしまいました。
かつて世界的に活躍した4人のスポーツ選手が、ドーピングの発覚を恐れ、証拠隠滅を図り、ドーピングの仕掛け人であった仙道之則(これゆき)を殺してしまう。ところが、仙道は、先進的ドーピング技術によって、7種競技の女性スーパーアスリートを育てている最中で、その並外れた運動機能を持ったスーパーアスリートが、復讐のために想像を超えた行動で4人を追い詰めていくことになる。スーパーアスリートの並外れた運動機能は、陸上競技ではなく、殺人という復讐に使われることになってしまう。なかなか面白い作品でした。最後に、少しだけ考えさせられるところがありました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です