2019-18 最後の将軍 司馬遼太郎

 以前読んだはずの本なのですが、あまり内容を覚えていませんでした。慶喜とはどういう人物であったのか、司馬遼太郎もつかみきれないところがあったのではないでしょうか。慶喜は、幼少から壮麗といわれ、日本国をどうにかしなくてはと考えていた先進的な大名人たちに担ぎあげられてしまった感がありますが、ある意味で期待にたがわない優秀な人物であったようでもあります。徳川を背負った将軍として、元々なりたいと思っていなかったようですが、結果的には徳川家を、そして江戸時代を見事に締めくくったのではないかと思います。歴史的には、大政奉還の実行、鳥羽伏見の戦いでの敵前逃亡など、当時の武士道としてはとんでもないことを行っていますが、短絡的に思えるその決断の裏にはどんな思いがあったのか、我々には計り知れない思いがあったかもしれません。それが慶喜という人物であろうとも思います。結局慶喜は大正時代まで生存し、77歳で永眠したそうです。維新の立役者は徳川慶喜、という人もいるそうですが、確かに維新の激動に翻弄され、影響を与えた一人ではあると思います。それにしても、維新のころは、いわゆる志士といわれる人たちの思いが強い故か、思い違い、勘違い、想像でもって行動を起こすことが多く、そのために歴史が分かりにくくなっているように感じました。逆に言えば、そうした人の思い込みによる行動も理解したうえで歴史を見ないと事実を見失うとも思いました。

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