2019_33 危険なビーナス 東野圭吾

 独身獣医師、伯朗の弟明人が仕事先のアメリカから帰国した。ところが、明人の妻と名乗る楓が、伯郎を尋ねてきて、明人が行方不明になっていると告げる。ここから、複雑な伯郎の家族構成を背景に謎解きの物語がはじまる。明人の帰国理由は、明人の父、伯郎にとっては義父の康治が危篤状態のため相続に関する家族会議が行われるため。しかし、誰も明人が結婚したとは聞いていない、楓とは何者なのか。明人の実の父一清は画家で、伯朗が小学生のころに脳腫瘍でなくなっている。康治は一清の主治医でもあった。兄弟二人の母親禎子は、16年前不自然な死を遂げている。話が進んでいく中で、サバン症候群という病気が出てくる。絵画や音楽、記憶力などある分野において特異な能力を発する人のことである。最後の方で「ウラムの螺旋」という言葉も出てくる。私は、サバン症候群は知っていましたが、ウラムの螺旋は知りませんでした。この二つの言葉がある意味でキーワードです。最後の最後に、どんでん返しと種明かしがありますが、やはり想像を超えるものでした。題名の「危険なビーナス」はもちろん楓のことではありますが、その正体も驚きです。後味すっきりな感じでした。

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