2019_38 学生街の殺人 東野圭吾

 東野さん初期の作品、デビュー作「放課後」から数えて4作め、1987年の刊行です。この作品ではいろいろな試みが実行されているのだそうです。
津村光平は、大学を卒業後、そのまま大学近くの寂れた学生街の「青木」というビリヤードと喫茶店がある店でアルバイトをして暮らしている。その「青木」の従業員である松木が殺された。光平には付き合い始めて間もない年上の恋人、広美がいたが、自宅マンションのエレベータで “密室” 的に殺されてしまう。広美は、同級生の純子とスナック「モルグ」を協同経営していた。松木の殺害と広美の殺害は関連しているのか。光平は、犯人を捜し始めるが、松木につても広美についても知らないことが多いことに気付く。そうしたところに広美の妹、悦子が現れ、二人で広美の秘密、犯人捜しをすることに。そして第三の殺人が起こる。複雑怪奇な殺人事件、少しづつ謎が解き明かされていく。“密室”的殺人のからくり、松木広美の殺人との関連。いったん事件は解決されたかように思える。しかし、第三の殺人との関連でどんでん返し、最初は明らかにされなかった、真実が明らかになっていく。東野さんが試みたものとは、こうしたトリックの深さだったのではないだろうかとかと思えてくる。実に巧妙に仕組まれた仕掛けは見事です。

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