2020_11 キネマの神様 原田マハ

 帯に『映画化決定』と志村けんさんの写真が掲載されていますが、残念ながら先日新型コロナウィルスに感染し亡くなられてしまいました。感染する前に購入していたので、驚くと共に残念でなりません。ご冥福をお祈りします。
都市開発企業につとめ、女性課長としてシネコンを作ろうとしていたアラフォーの円山歩(まるやまあゆみ)、会社でのトラブルから辞表を提出、その日に映画好きでギャンブル好きの父親(円山剛直80才)が心臓の手術をすることに。父親は、若い頃から、友人であるテラシン(寺林新太郎)の経営する町の小さな映画館で映画を見続け、ノートに映画の感想を書き綴るほどの映画好きです。たまたまそのノートを見つけた歩がそこに好きな映画の感想を書き加えると、その感想を父親が雑誌「映友」のブログに投稿、何とその投稿から編集者として採用される事になってしまい、ここから思いもよらない展開となっていきます。歩が勤めることになった「映友」は、個性あふれるたった4人の従業員からなる映画雑誌の出版社。そして歩が入社したことで新たなブログの企画をはじめることに。キネマの神様に対し、歩の父親が映画評論を書き綴り奉るというブログ。なぜ歩でなく父親なのか、企画したのは映友の編集長である高峰さんの息子、引きこもりであり有能なハッカーでもある。このブログが大当たりとなり人気をはくす。するとアメリカに移住した歩の元同僚が英訳してアメリカで発信、国際的な展開へと広がっていく。そこに『ローズ・バッド』なる謎の人物が、ゴウ(父親)の映画評論に対して楯突くようなものすごい含蓄のある書き込みをしてきた。二人にやり取りを繰り返し続けるうちに友情めいた感情が湧き上がる。そんな中、ローズ・バッドの書き込みが突然途絶える。ローズ・バッドとは誰か、その後どうなっていくのか。最後は「キネマの神様は存在する」、そんな風に思える、ユーモアあり、感動ありの内容でした。
本文で語れる父親、そしてローズ・バッドの映画評論の内容がすばらしく、原田マハさんの文章力にも感動です。
おそらく志村けんさんは、父親(丸山剛直)役、適役であったと思います。志村さんが亡くなられて残念ではありますが、映画の公開が楽しみです。

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