2019_11 幕末の大誤解 熊谷充晃

 勝てば官軍、まさにそのものの内容でした。維新の英雄たちの知られざる痴態や、歴史の陰に隠れた英雄たちの偉業など、目からうろこの話が盛り沢山で面白かったです。大政奉還をした慶喜の思惑、江戸城無血開城を導いた、西郷隆盛と勝海舟の会談は既定路線であったなど、維新のスターたちに心酔されている方にとっては若干気分を害する内容かもしれません。幕府の役人にも優秀な人材が多数いて、決して近代化に対して疎いわけではなかったし、保守的でもなかったようです。特に、ペリーと交渉にあたった幕府の役人の話などは歴史の教科書には出てきませんが、優秀な人たちだったようです。また、我々は、歴史を結果として後から見ているため、当たり前のように思ってしまいますが、その時、歴史の中にいた人たちにとってはどちらに転ぶかわからない先の見通せない時代であったと思います。

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