2020_25 ゴッホのあしあと 原田マハ
「たゆたえども沈まず」は、ゴッホの生涯を描いた小説ですが、この「ゴッホのあしあと」は帯にあるように、「たゆたえども沈まず」の副読本であり、メーキングオブ、解説本、といってもよいものです。原田マハさんが「たゆたえども沈まず」を書いた背景、ゴッホに対する思いが自身の言葉で語られています。
アンリ・ルソーを語った「楽園のカンヴァス」、ピカソを語った「暗幕のゲルニカ」を読み、次はゴッホだと思って「たゆたえども沈まず」を手に取りましたが、なぜかもう一冊ゴッホの本があったのでとりあえず2冊とも購入しました。どちらを先に読むかあまり深く考えず、薄いほうの本をさきにとって読み始め、「たゆたえども沈まずの」メーキングオブ(解説本)であることに気づきました。先にこちらから読み始めてよかったと思いました。あとから本編を読んだほうが興味深く読めるだろうと思ったからです。果たして正解だったかどうかは、本編を読み終えてからの感想で述べたいと思います。
原田マハさんも本書の中に書いていますが、ゴッホは狂気と情熱の画家、という印象を私も持っていましたが、決してそうではないようです。ただ、短く激動の熱い人生であったことは確かのようです。ゴッホの日本への憧れ、弟テオとの関係、浮世絵がいかに影響を当てたかなど大変興味深く読むことができました。本編を読むのが楽しみになりました。
この本を読んでいる只中に、たまたま原田マハさんがゴッホをテーマとしたテレビ番組に出演しているのを見ました。初めて原田マハさんが話しているところを見たことと、あまりにタイムリーだったのでちょっと感動しました。それから、この本を購入したのが8月7日、初版発行日は8月10日となっています。何気なく購入しましたが、発売ほやほやだったようです。あとがきには今も感染が拡大しているコロナウィルスの話も書かれていました。ちなみに、「たゆたえども沈まず」とはパリを象徴する言葉だそうです。
原田マハさんの一ファンです。マハさんの美術関連の著書は、その人の思いが伝わってきて感動ものです。この本も勉強になりました。また、まくだら屋のマリアや、カフーを待ちわびてなど、元気が出る作品が多いようです。