2020_32 マスカレード・ナイト 東野圭吾
マスカレードシリーズ、3作めです。1作めの「マスカレード・ホテル」は、連続殺人事件がホテルで起こるとの推測から、犯人逮捕のためにホテルマンとなって張り込む新田刑事とホテルのフロント係の山岸尚美のコンビが様々な出来事に対応していくサスペンスミステリー。映画化され、木村拓哉と長澤まさみが演じています。2作めの「マスカレード・イブ」は、実は1作めよりも以前の物語で、二人が出会う前のそれぞれの物語、だから”イブ”(前夜)なのでしょう。
そして3作めの「マスカレード・ナイト」は、1作めの事件から数年後、殺人事件の犯人がホテルで行われるカウントダウンパーティーに現れるとの匿名通報があり、今回も前回と同様新田刑事と山岸尚美のコンビが事件解決に活躍します。映画を見たせいで、木村拓哉と長澤まさみのイメージがちらついて仕方ありませんでした。前回のマスカレード・ホテルもいろいろと凝った内容で読み応えがあったのですが、今回も前作以上に実に巧みに構成された内容でした。警察が怪しい顧客をマークするのですが、これは事件とは関係ないだろう、きっと話を面白くするためのものだろうと思っていたことが、意外な形で関係してきたり、そういうことだったのかと思わせるところもありました。個人的にはそれはあり得ないのでは、というのもあったのですが、全体としてはさすが東野さん、という感じで面白く引き付けられました。映画化されたらまた鑑賞したいと思います。